2018.12.14今月のメディカサイト特集

地域×ICT活用!西条市の取り組み

西条市が、ICTを活用し行方不明になった高齢者を、地域で発見するシステムを試験運用しはじめました。
県内では他に聞いたことのない取り組み。
どういう想いで、どうやって運用しているのか、いろいろお尋ねしてみました。


 

お話を聞いた方

 

西条市保健福祉部高齢介護課包括支援係 高橋ひとみさん 西条市保健福祉部高齢介護課包括支援係
高橋ひとみさん

 

スマホを使った見守り支援って?6つの質問

 

どうしてこの取り組みをスタートしたのですか?
西条市では、認知症の方や高齢者の方の行方不明者が増加傾向。
行方不明者の早期発見につながる何かを探していました。
そこで、西条市が力を入れているICT(情報通信技術)を活用して、行方不明者を捜索することができないかと模索し、今回のシステムを試験運用することになりました。

 

どういうシステムなのですか?
以下のような手順で使います。
【 事前準備 】
●まず市役所に事前申請を行い、小型タグを受け取ります。
●家族は自分のスマホと小型タグのペアリングを行います。
●高齢者の方は、外出時に服やかばん等に取り付けます。
●地域の方は専用のアプリをダウンロードします。
家族や地域の方による、専用アプリのダウンロードが必要です。
このような手順でアプリをダウンロードします。
※画像をクリックすると、大きく見ることができます。
スマホを使った見守り支援

【 行方不明が判明してからの手順 】
1)行方不明になった高齢者の家族が警察に連絡。家族はアプリの「みんなでさがす」モードを設定。
2)西条市が一斉メールで住民に行方不明者情報の配信と、スマホ専用アプリの起動を依頼。
3)タグを着けた行方不明者が、スマホや公民館に設置した受信機の30メートル以内に近づくと、位置情報が自動的に家族に通知される。

スマホを使った見守り支援

※画像をクリックすると、大きく見ることができます。

やみくもに捜索するのではなく、感知した場所周辺を中心に探すことで、早期発見・保護につながる可能性が高まります。

 

試験運用はどんな感じで進めているのですか?
東予西・河北中学校区にお住まいで、65歳以上の認知症の方で、家族がスマホやタブレットを持っている家庭10組を公募し、運用してもらっています。
現在、試験運用に協力していただいている方の行方不明者は発生していません。

 

どうやってシステムを周知させているのですか?
西条市のウェブサイトや市報での告知のほか、対象地域での説明会を開催したり、郵便局やJAに協力依頼を行いました。

地域住民にはこのようなチラシを配布しています。
※画像をクリックすると、大きく見ることができます。

システム周知
今後の課題
1)タグの料金
タグの料金は、4500円+税。
電池は1年間しか持たないため、毎年交換が必要です。
自己負担額等の検討を行い、33年度から本格実施できるよう準備していく予定です。

2)アプリの普及
スマホ所持率が高い若い方々にも当事者意識を持って、アプリのダウンロードに協力していただきたいです。

3)行方不明者が市外に出てしまった場合
この取り組みは西条市でしていることなので、行方不明者が市外に行ってしまうと効果がありません。
市境に住んでいる方への対策が必要です。

 

今後の展望を教えてください
地域を広げて実施し、本格稼動に向けて体制を整えていきたいです。
この取り組みが認知症の方やその家族だけではなく、地域全体で高齢者を見守る環境につながり、認知症への理解が深まり、誰もが住みなれた家や地域で安心して暮らしていける西条市を目指して行きたいと思います。

 

タグについて

エーザイ株式会社が販売提供しているMe-MAMORI(https://mamorio.jp/me-mamorio/)を使用しています。

エーザイ株式会社が販売提供しているMe-MAMORI

 

【 Me-MAMORI 】
対応機種:Bluetooth4.0対応/iSO9.0以上のiPhone(5以降)、Android4.3以降のAndroid
規格:Bluetooth Low Energy
本体サイズ:縦37mm×厚さ5.8mm
有効距離:最大約30m
エーザイ株式会社が販売提供しているMe-MAMORI

鍵や財布等、モノにつけて落し物を防止するために開発された機器。
手元から離れると、いつ、どこに置き忘れたかをスマートフォンにお知らせしてくれます。
今回の行方不明者捜索には、MAMORIOユーザー同士で忘れ物を探してくれる機能「みんなでさがす」機能を活用。
地域住民がアプリを起動し、「捜索協力モード」を開始すると、Me-MAMORIOをつけた行方不明者とすれ違うとすれ違った時点の情報がサーバに。
その情報は行方不明者家族のスマートフォンにも送られ、行方不明者がどこにいるのかが分かる仕組みです。
GPSはついておらず、Bluetoothを利用しています。

システム初訓練!

2018年10月20日、西条市三芳の東予北地域交流センター周辺で、警察や消防、住民等130人が集まり、システムを使った初訓練を行いました。

【 当日の様子 】
通報寸劇、声かけ方法の説明

訓練の様子

捜索訓練開始!

訓練の様子

地域住民の協力もあり、開始3分ほどでタグを装着した行方不明者役の位置情報が捜索本部に。
無線で連絡を受けた近くの捜索隊が保護しました。
タグをつけていない方よりも早く発見につながり、タグの効果を感じることができました。

高齢者捜索模擬訓練実施図
※画像をクリックすると、大きく見ることができます。
高齢者捜索模擬訓練実施図

 

初訓練のお知らせ文書 声かけ訓練
初訓練のお知らせ文書 認知症の方らしき人を見つけた時の、
声かけ訓練も行いました。
行方不明者サンプル① 行方不明者サンプル②
行方不明者のサンプル① 行方不明者のサンプル②

 

まとめ

 
「西条市は進んでいる!」と感じました。
この行方不明者捜索システム以外にもICTを活用し、成人健康診査予約システム、高齢者へのコミュニケーションロボット運用、バーチャルクラスルームなど、課をまたいで様々な運用が行われています。
行方不明者捜索システムを活用するためには、地域住民の協力が必要不可欠。
事前にアプリをダウンロードし、捜索時にはアプリを立ち上げる必要があるため、一見、住民に周知するのが難しく感じてしまいます。
しかし、西条市全体でICTの取り組みをされているとのことで、地域の方々も協力的。
周知も進んでいるように感じました。これからの結果が楽しみです。


 

【取材協力】
西条市高齢介護課
〒793-8601 愛媛県西条市明屋敷164番地 西条市庁舎本館1階
包括支援係 (西条市地域包括支援センター)
Tel:0897-52-1412
Fax:0897-52-1408
http://www.city.saijo.ehime.jp/soshiki/koreikaigo/sousakukunrenpr.html
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