2017.03.06今月のメディカサイト特集

攻めるのか?守るのか?どうなる介護業界?「平成30年介護報酬改定、そして平成33年改定に向けた課題と取り組み」

平成29年2月21日(火)、メディカサイト10周年記念 第2回メディカサイトコンサルティングセミナーが、愛媛県総合社会福祉会館(松山市持田町)にて開催されました。
http://ameblo.jp/ehime-kaigo/entry-12236895795.html
全4講座のうち、やはり大人気だったのが、【講座4】攻めるのか?守るのか?どうなる介護業界?「平成30年介護報酬改定、そして平成33年改定に向けた課題と取り組み」でした。
定員の約2倍の方に受講いただき、平成30年の介護報酬改定について共に考えました。
今月のメディカサイト特集は、【講座4】の一部の内容をまとめさせていただきました。
介護報酬改定に向けて、ぜひ、ご参考いただければと思います。


 

 

※画像をクリックすると、大きな画像が見れます。

医療費の加速的な伸びを抑えるため、社会的入院の解消を目的の一つとして、2000年より介護保険制度が新設されました。
介護保険料という新しい財源を生み出すとともに、医療費と介護給付費を合わせた伸びは、それまでと同様の一時曲線の中に収まってきました。
しかしながら、2015年を境に、医療費と介護給付費の合計は、二次曲線的な伸びに変化してきています。
2018年(平成30年)は、医療・介護の同時改定の時期です。
抜本的な対策を行わない限り、この急激な伸びを抑えることはできなくなってきております。

 

 

■ 中重度者への給付の重点化
ただの「居場所」は介護保険外の方向に向かっていきます。
■ 日常生活自立支援総合事業
軽度者に関しては、日常生活自立支援総合事業への移行、すなわち、市町村の独自事業への移行が促進されていきます。
とりあえず、現行相当のサービスへ移行した場合は、ほぼ変化はありません。
厚生労働省から各市町村に通達があったように、ソフトランディングさせていきます。
唯一の変化は、定額料金から、利用毎の報酬へ変化です(上限はほぼ同じ)。
数年かけて、市町村の独自単価へ移行するタイミングに注意が必要です。
■ 自立支援介護
平成30年度に行う介護報酬改定に合わせて、お年寄りの要介護度を下げた事業者への介護報酬を優遇したり、自立支援介護のサービスを提供しない事業者への介護報酬を減らしたりする制度の導入を検討されています。
■ 要介護1、要介護2の未来
要介護1、要介護2が将来的に、日常生活自立支援総合事業への移行が検討されています。
平成30年度改定では、混乱を避けるために見送られることが決定しています。
要介護2を介護保険から外すことは、現状では現実的に困難であると考えられます。
そのため、まずは要介護1に対して、何らかのアクションがあると考えられます。
■ 医療度高、認知症、リハビリへの誘導
現在、評価がされているのはこの3つです。
平成27年度改定で加算が導入されました。
次回の平成30年度改定ではこの流れが進むものと考えれます。
ただ、その次の改定の際には、どうなるのか保証はありません。
■ 2割負担者の増加、3割負担者の新設
前回、2割負担が導入された際、結果として、松山市では9%の人が対象となりました。
当時の想定は20%であったため、この枠までの拡大はありそうに思います。

 

 

構築したい介護側の「地域包括ケア」とは、地域を特別養護老人ホーム化することです。
在宅を居室とみなし、訪問サービスを中心にケアしていくというものです。
そのためには、
・訪問介護
・小規模多機能型居宅介護
・定期巡回・随時対応型訪問介護看護
サービスが増えることが必須です。
訪問介護に関しては、介護度が高い方へ重点を置く方向です。
逆に言えば、軽度に関してはマイナス方向になると思われます。
小規模多機能型居宅介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護に関しては、訪問サービスへの移行が誘導されると思われますが、介護報酬に関しては維持されるのではないかと思われます。

 

 

・レンタルは厳しくなる方向に
市町村とケアマネジャーのチェック機能を強化する。

・価格に上限を設ける方針
車いすや電動ベッドなど、製品ごとに平均価格を調べ、一定の割合を加えた水準に設定する方向。
具体的な上限の水準や全国平均貸与価格は2018年度中にも設定されます。

・説明の義務化
貸与しようとする商品の全国平均貸与価格を説明する必要があります。
機能や価格帯の異なる複数の商品を提示することを義務化されます。

 

 

・介護業界の職員不足解消を目的として人員基準の緩和
代わりに、介護報酬はダウンします。
新点数の創設または減算が考えられます。
「低コスト」でのサービス利用を目指すとのこと。
対象は「生活援助を中心とした訪問介護」

 

 

まずは、訪問介護事業について検討されています。
デイサービス等、どこまで拡大していくのかが、今後の課題です。
現状として、かなりグレーなサービスを提供している事業所が少なからずありますので、現状の整理からスタートする事になるかと思われます。

・訪問介護時に、介護サービスと家族向けの食事の用意など
介護保険の対象外のサービスを行う「混合介護」を容認する方向です。
→ 混合介護の場合、まず、介護報酬は下がる可能性があります。
→ 「実施記録」は重要となってきます。比率も大きな課題になると思われます。

・サ高住にとってはプラス材料となるかも
拡大解釈すると、訪問介護中に「他のこと」を行うことが可能となる可能性もあります。

・介護保険と障害福祉両制度に共通のサービス創設「共生型サービス」
通所や訪問など、いずれの制度にもあるサービスについて、事業者が両方の指定を受けやすくするよう制度を見直します。
高齢の障害者が、一つの事業所で一括してサービスを受けられるようにしていきます。
現在、訪問介護、デイサービス、ショートステイを想定されています。

 

 

・原則2割を目指します。
支払い上限は必ずできると思いますが、事業計画の見直しが必要となる可能性があります。

・高所得者は3割を新設します。
3割に引き上げる時期は2018年8月からとする方針です。
年金収入などが340万円以上ある人が対象。
(介護サービスを利用する人の3%程度に該当する12万人が3割負担の該当者)

・応能負担の原則を40歳から64歳までの人が支払う保険料にも適用し、「総報酬割り」の計算方法を導入します。

 

 

1. 経済連携協定(EPA)
これまでの制度。日本の国家資格取得を推奨する仕組みです。
(※インドネシア、フィリピン、ベトナム)

2. 外国人技能実習制度
いわゆる「所得の低い」国々の方を対象。
(※中国、インドネシア、ベトナム、フィリピン、タイ、ペルー、
ラオス、スリランカ、インド、ミャンマー、モンゴル、
ウズベキスタン、カンボジア、ネパール、バングラディシュ)
送り出し機関と、受入れ機関の両方が必要です。
受入れ機関は、続々と誕生しているが機能するかどうかはこれからとなります。

3. 出入国管理及び難民認定法(入管法)の改正
こちらは「お金のある」国々の方が対象となります。
介護福祉士専門学校の在校期間は2年、EPAより早く国家資格の取得が可能です。

 

 

介護事業は、高齢者の生活と命を支える事業。
そのためには人を育てることが必須です。
事業計画を間違えさえしなければ、「安泰」とは言いがたくても、生きて行くことはできます。
介護の目的をしっかり意識して、本業をしっかりこなし、まずは選ばれる場所になりましょう。
そんな言葉で締めさせていただきました。

 

【 来て下さったみなさまの感想 】

● 新規事業所を開設したばかりで、知らないことばかりだったので、とても勉強になりました。
まだ色々お聞きしたいことがあります。
また機会があればぜひ学ばせていただきたいです。

● すごくよかったです!介護報酬改定に関しては、自分でいろいろと調べて知っているつもりでしたが、「やっぱりそうだったんだ」と確認できたり、「知らなかった」というポイントがあったりして、それだけで来た価値がありました。
石崎さんの視点が、おもしろくて、ためになりました。
将来の不安が募る介護業界ですが、前向きにがんばっていきたいです。

● 石崎さんの新しい視点を聞かせていただき、有意義な時間でした。これから新しく事業展開を考えているので、これからまたいろいろと相談に乗ってもらいたいです。
大変参考になりました。

 
おこしいただいた皆様、本当にありがとうございました。
メディカサイト10周年!
10年間、介護×ITを見つめてきたからこそ語れることがあります。
みなさまの感想からも、「石崎独自の切り口がよかった!」とお褒めの言葉をいただきました。
これからも、みなさまに役立つ情報をご提供するために精進していきますので、よろしくお願いします。
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東京に行って、様々な介護報酬改定セミナーを受講しなくても、こちらを毎日チェックしていれば情報は十分手に入ります!
数年継続していると未来も見えてきますよ!

◎メディカサイト 医療・介護ニュース
http://www.medica-site.com/index.html
全国の新聞から最新のニュースを抜粋して掲載しています。
◎メディカサイト テレビ番組情報
http://www.medica-site.com/index.html
テレビ地上波で放送されている、医療・介護に関するテレビ番組情報です。
一般の方が見ている情報の入手が可能です。
◎メディカサイト 社会保障審議会介護給付費分科会資料
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介護報酬改定前は、こちらの会議録資料を必ずチェック!
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◎メディカサイト 介護保険最新情報
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「今現在」の介護保険の最新情報が掲載されています。
新しいルール等、要チェックです。
◎メディカサイト 役所関連情報
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各市町村の介護保険課や高齢福祉課等から発信されている情報を掲載しています。
◎メディカサイト 平成30年度 介護報酬改定情報
http://www.medica-site.com/kaigohoshu/index5.html
平成30年度 介護報酬改定に関する情報をわかりやすくまとめています。
平成30年3月末に近づくにつれて、最新の情報がどんどん追加されていきます。
◎メディカサイトコラム(不定期更新)
http://www.medica-site.com/column/index.html
介護業界について、メディカサイト代表の考察を踏まえてコラムにしています。
一つの切り口としてご参考ください。
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メディカサイトに掲載されていない、独自のニュース考察等もご覧いただけます。
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メディカサイトトップページの下部からもご覧いただけます。
◎医療介護CBnews
https://www.cbnews.jp/
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他の媒体よりも早く情報入手が可能です。

◎医療介護ニュースサイト JOINT
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現状報告、独自視点での解説等、他のニュース媒体にない視点があります。

◎週刊 高齢者住宅新聞
https://www.koureisha-jutaku.com/
新聞購読料 年間 21,000円(税別・送料込)
最新情報とともに介護業界の様々な現状や統計を知ることができます。

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