老人保健施設福角の里は、平成27年6月より【在宅強化型老人保健施設】に移行。
平成26年に開設された老人保健施設福角の里サテライト粟井には【在宅復帰支援型老人保険施設】の機能を持たせ、利用者を支えています。
この2つの機能は具体的にどのようなものなのでしょうか。
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【 お話を聞いた人 】
医療法人 慈孝会
事務局長 渡部 浩二 さん |
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平成24年、介護報酬改正で【在宅強化型】【在宅復帰支援型】という、新しい基本施設サービス費が創設されました。
老健施設は元来、利用者へのリハビリを積極的に行い、在宅へ導く役割を持つ施設。
この新たなサービス費導入の裏側には、国からの「本来の役割に立ち返るべき」というメッセージが含まれているのではないでしょうか。
【在宅強化型】と【在宅復帰支援型】の違いは、「在宅復帰率」や「ベッド回転率」等があります。
以下の表にあるように、【強化型】の方が復帰率も回転率も高く、【支援型】はそれより少しゆるやかになります。
この差は必然的に、「入所している期間」の差、「在宅復帰までの期間」の差となります。
”在宅”というと、”住み慣れた自宅”と思われがちですが、実はそうではありません。
“在宅”とは「医療機関・介護老人保健施設・特別養護老人ホーム以外の、個人の住宅や、居宅サービス施設等」のことをいいます。
サービス付き高齢者住宅やグループホームに戻ることも“在宅”なのです。
老健に、【在宅強化型】【在宅復帰支援型】という考え方が生まれたものの、実はまだ導入している施設はごく一部です。
というのも、維持することが大変だからです。
在宅復帰率やベッド回転率等を維持するためには、在宅に戻るための環境を整えていかないといけません。
そのためには、在宅復帰へのスピードを意識しながらリハビリの強化をはかることが必須です。
また、退所後の状況確認のための、スタッフによる居宅訪問も必要になってきます。
在宅復帰率とベッドの回転率をキープするためには、利用者の状態把握と、入退所の管理が必要。
スタッフは、頭も体もフル活用して対応してくれています。
| 床数によって、ベッドの回転率や在宅率を調整しないといけない。 |
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介護の世界は時代の変化に伴い、めまぐるしく変わり続けています。
福角の里が平成27年からユニット型に移行したのも、介護の考え方自体が集団生活→個別ケアへ変化していったからです。
ユニットケアにすることで100床あったベッド数が80床になり、残りの20床をサテライトとして別の場所に設けることになりました。
それが、老人保健施設福角の里サテライト粟井です。
さらに介護報酬改正後には、福角の里に【在宅強化型】、福角の里サテライト粟井に【在宅復帰支援型】の機能を持たせることにしました。
高い理想を掲げて、その実現に挑戦し続ける介護。
時代の流れに常に柔軟に対応していきながら、利用者さんや家族の方の支援をし続けることが私たちの使命だと思っています。
【在宅強化型】、【在宅復帰支援型】それぞれの機能を持たせてから、今までずっと条件をクリアし続けていくことができているのは、スタッフががんばってくれているからだと思います。
答えのない介護という世界で、スタッフ一人ひとりがやりがいを持ち、高みを目指して行けるような環境を整えていくのも、大切なこと。
「老健」の役割を果たしていくために、これからも介護のグレードアップをはかっていきたいです。
集団ケアから個別ケアへ。
ユニット型の施設に変化していった。 |
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グループホーム、老人保健施設、小規模多機能etc・・・、さまざまな介護サービス施設がありますが、それぞれの役割を意識し、果たしていくことは、容易ではないということに気づかされました。
働いている人の意識を高めるためにも、介護報酬を連動させていくのは必須ですが、そのためには細かい制度認定が必要です。
時代の変化に応じて、柔軟に、前向きに、利用者さんのこと、家族さんのことを考えながら、ひたすら“よい介護”を続けていく姿勢は素晴らしいです。
これからのご活躍も、期待しています。
