2016.09.01今月のメディカサイト特集

つなぐ、つなげる 想い 地域介護の本質を探る!

激戦エリアの中、地域に根ざした活動で注目を集める会社があります。
デイサービス、訪問介護、居宅介護支援事業所を運営している、「株式会社 珠の実」。
代表の田中千秋さんは、元看護師さん。
福祉経験ゼロからのスタートでしたが、今では地域にとって必要とされる存在になりました。
介護の本質、人を支える本質、そして人とつながる本質とは?田中さんにじっくりとお話を伺いました。


 

【 お話を聞いた人 】
株式会社 珠の実
代表取締役 田中千秋さん

 

私が福祉の世界に入ったのは31~32歳の時でした。それまでは准看護師として、約10年間、病院勤務をしていましたが、「将来もこの仕事を続けていけるのかな?」と考えていた時に、特養の求人があり、福祉の仕事に就くことになりました。
平成7年から特別養護老人ホームに准看護師として転職。
その3カ月後に、併設する「松山市在宅介護支援センター」に異動命令が出て、悩んだ末に前に向かって進もうという想いから受けることにしました。
当時、松山市在宅介護支援センターは中学校区に1つあり、私の担当は余土地区でした。
その際、上司から言われたことは「地域に入りなさい」ということでした。
地域には、民生委員、老人会、町内会、婦人会などいろいろな集まりや活動があります。
民生委員さんに教えてもらいながら、様々な会に顔を出すようになりました。
地域からの相談を受け、一緒に支援させていただくことで少しずつ地域に解け込むことができました。

介護保険制度が始まり、松山市在宅介護支援センターの役割も変化してきました。
松山市在宅介護支援センターで7年くらい仕事をしたのち、直接、利用者の方と関わりたいという想いが強くなってきたため、退職して民間居宅介護支援事業所のケアマネジャーとして勤務することになりました。
ケアマネジャーとして仕事をしている中、縁あって余土地区でまた仕事をさせていただくことになった時に、一度、地域の仕事を離れていましたが、スーっと受け入れてくださり、とても仕事がやりやすかったことを覚えています。
こうして、地域の人々に受け入れてもらい、育ててもらったので、「自分が独立する時には、育ててもらった余土で!」という想いもあり、平成24年10月1日、様々な方の支援のおかげで、余土地区の保免で事務所を構えることができました。
訪問介護事業所と居宅介護支援事業所からのスタートでした。
その後、様々な方のご縁のおかげで、平成27年4月、余戸に事務所を建築、引越しを行い、デイサービス事業所(通所介護事業所)も運営することになりました。

 

人は、一人では生きていけないと思うのです。支え合っていくことが大切。
ただ、支え合うことと、依存することは違うと思っていて、必要な時に手を差し伸べて支援できれば、それが「安心」というお守りになっているように思います。
その人に合った関わりでなければ、よい関わりにはならないと思って仕事をしています。
私たちは利用者さんの家族ではないため、仕事としての関わりには限界もあります。
信頼関係ができていても、何か問題があると信頼関係は崩れますし、あっという間に背中を向けられてしまうこともあります。
「細く長く」関わっていけることがベストなのかなと思ったりしています。

周囲の田園風景に溶け込む外観。
介護施設っぽくならないように心がけたそう。
長く在宅で生活していただくため、私たち介護の仕事は、裏方であり、黒子だと思っています。
利用者さんが長く在宅生活を続けていけるように支えていくことが、私たちの仕事だと思っていますので、その方に合わせた関わり方を心がけています。
利用者の方と関わる際には、目配り、気配り、心配り。
この3つをさりげなくできればいいなと思い、支援しています。
そして、利用者さんの「今」だけをみて、その人を判断しないこと。
その人が今まで生きてきた中でいろいろなことがあり、今があると思っていますので、しっかりと情報を収集して、その人の全体を知ることが大切だと思っています。

室内の壁紙は1日過ごしても疲れない色で、居心地のよさを大切に。
しっかりと関わって安心していただくことで、その方のメンタルが安定して、生活も安定してくるように思います。
また、利用者の方が在宅で過ごしていただくために、ケアマネジャーとして心がけていることがあります。
それは、利用者さんとサービス事業者が困らないようにつなげる、ということです。
その人にとって必要なサービスがつながれば、在宅で長く過ごすことができるように感じます。
そのためには利用者さんの生活全体を知り、その利用者さんに合ったサービスを調整、提供していくことで、利用者さんは住み慣れた地域で生活を続けていけるのではないかと思います。
私たちはこれからもそのような利用者さんたちをお手伝いしていきたいと思います。

 


スタッフのみなさんと一緒に
これまで地域の町内行事、市民大清掃、婦人会の日曜市など、地域の人と関わる努力をしてきました。
都合のいい時だけお願いします、ではつながらないと思っていて、「一緒にする」ということが大切だと思っています。
その結果、民生委員さんと活動したり、地域活動に参加できたりしました。
そのようなことを継続して行ってきたことが、今につながっているように思います。
知らない人から「知っている人」に変わるためには、時間がかかりますので、地域に根ざすためには地域に合わせて、自分たちがどう地域と関わっていくのかを考えていかなければならないのではないかと思っています。
そうすることで、お互いに相談し合える関係を築けるようになるのではと思っています。
また、仕事につながらなくても、困っていることに対してできる範囲で応えて、「相談してよかった」と思ってもらえるように努めています。
必要な「報・連・相」をきちんと行っていると、人とのつながりができ、信頼関係が築け、次の仕事にもつながっていくと思っています。

「珠の実」という社名には、「つなぐ、つなげる、それを実らせる」という想いが込められています。
一人ひとりがつながり、いろいろな人をつなげていきたいなと。
ロゴマークも職員みんなで考えました。みんながいるから、頑張れます。
同じような想いを持ったスタッフが寄ってきてくれて、ずっと一緒に仕事ができたらベストだと思っています。
流れにのって、常に自然体で、無理はしないで。
自然につながるご縁を、日々、大切にしていきたいと思います。

 

約20年の歳月をかけて築き上げてきた、地域とのつながりと信用。1日1日の積み重ねが「今」につながっている、ということを田中さんから学びました。
自然な流れの中で、これから珠の実さんがどのような活動をなさっていくのか、とても楽しみです。

【 取材協力施設 】
デイサービスセンター 珠の実
〒 790 – 0046
愛媛県松山市余戸西3丁目9-29
TEL 089-989-9166・FAX 089-989-9167
メディカサイト施設紹介ページ
http://www.medica-site.com/shisetsu_detail.php?recid=953
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